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お悩み・症状別

不正咬合について

不正咬合について不正咬合とは、歯並びや噛み合わせが悪い状態を指します。歯が本来の位置に並んでいない、上下の歯がしっかりと噛み合わないといった状態が続くと、見た目だけでなく、健康面でもさまざまな問題が生じる可能性があります。
不正咬合は放置すると、口腔内の衛生状態の悪化消化器官への影響、さらには全身の健康にまで影響を及ぼすことがあります。

歯並びが悪いとどうなる?

むし歯や歯周病になりやすい

歯並びが悪いと、歯と歯が重なり合った部分や、歯ブラシが届きにくい箇所が多くなります。このような部位には歯垢歯石が溜まりやすく、これが原因で虫歯歯周病のリスクが高まります。
例えば、歯が前後に重なり合っていると、どれだけ丁寧に歯磨きをしてもブラシの毛先が届かず、食べかす細菌が蓄積してしまいます。これが続くと、歯肉が炎症を起こし、歯周病が進行することがあります。さらに、噛み合わせが悪いと特定の歯に過度な力がかかり、歯周組織がダメージを受けるため、歯周病が悪化しやすくなります。

硬い食べ物を噛むことが
難しくなる

不正咬合によって噛み合わせが悪いと、食べ物をうまく噛むことができなくなります。
例えば、前歯で食べ物を噛み切ることが困難な状態や、奥歯でしっかりと噛み砕けない状態が続くと、食事の際に硬い食べ物を避けるようになります。
この結果、食事内容が制限され、栄養バランスが偏る可能性があります。
また、十分に噛まないまま食べ物を飲み込むことで消化不良を引き起こし、胃腸に負担をかけることも考えられます。噛むという行為は、食べ物を細かく砕くだけでなく、唾液の分泌を促進し、消化を助ける重要な役割を担っています。噛む力が弱くなると、口腔内の筋肉が衰え、将来的に硬い食べ物を噛むことがますます難しくなる恐れがあります。

輪郭の変化

悪い噛み合わせによって片側でのみ噛む習慣がつくと、顔のバランスゆがみが生じ、輪郭に変化が現れます。特に成長期の子どもは、顎の成長に伴って顔貌が大きく変わることがあるため、早めの対策が重要です。
例えば、片側だけで噛む癖があると、噛んでいない側の顎の成長が抑制され、非対称になることがあります。このような顔のゆがみは見た目の問題だけでなく、顎関節の機能にも影響を与える可能性があります。
また、顎の位置がずれることで、発音呼吸にも影響が出ることがあり、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

顎関節に負担がかかる

不正咬合によって顎の位置が不安定になると、顎関節に過度な負担がかかることがあります。これが原因で、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。顎関節症は、口を開けると「カクカク」と音がする、口が十分に開かない、顎に痛みを感じるなどの症状を伴う疾患です。
症状が進行すると、食事会話が困難になるだけでなく、日常生活全般に支障をきたすことがあります。
さらに、顎関節症は頭痛肩こり首の痛みとも関連しており、全身の健康にも悪影響を及ぼすことになりかねません。

滑舌が悪くなる

歯並びや噛み合わせが悪いと、発音に影響を与えることがあります。特に、歯と歯の間に隙間がある場合や、唇がうまく閉じられない状態では、発音する際に空気が漏れてしまい、滑舌が悪くなることがあります。
これは、特に「サ」「タ」「ラ」行などの歯擦音に影響を与えやすく、発音が不明瞭になる原因となります。滑舌が悪いと、自分の言葉が相手に正確に伝わらず、コミュニケーションにストレスを感じることになりかねません。
特に子どもは、発音の問題が学校生活や社会生活において大きな不安につながるケースが多々見られます。

頭痛や肩こりの原因になる

不正咬合は、頭痛肩こりの原因にもなり得ます。不自然な噛み合わせが続くと、顎の筋肉が緊張し、その緊張が頭部や首、肩の筋肉にまで波及することがあります。例えば、顎の筋肉が緊張すると「側頭筋」と呼ばれる頭部の筋肉に負荷がかかり、これが長期間続くことで筋肉が硬くなり、血行不良を引き起こします。結果として、頭痛が誘発され、生活に支障をきたすことになりかねません。
また、顎の筋肉の緊張が首や肩にまで広がると、これらの部位でも血行障害が発生し、肩こり首の痛みを引き起こすことがあります。特に、長時間同じ姿勢を保つ仕事やデスクワークをしている人にとっては、顎の問題が原因で全身の痛みや不調が悪化することもあるため、早期の対処が重要です。

不正咬合の種類

受け口(下顎前突)

受け口(下顎前突)下顎前突は、下顎が上顎よりも前に突き出ている状態を指します。前歯で食べ物を噛み切ることが難しくなり、顎関節に負担がかかることで、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。
さらに、発音に支障をきたすことがあり、特に「サ」行や「タ」行の発音が不明瞭になることがあります。下顎前突は、遺伝的要因や幼少期の舌の位置や動きの問題によって引き起こされることが多く、成長期の早い段階で治療を開始することが重要です。

出っ歯(上顎前突)

出っ歯(上顎前突)上顎前突は、上顎の歯列が前方に突き出ている状態で、一般的に「出っ歯」と呼ばれています。前歯が飛び出し、上唇が前に突出して見えることが特徴です。上顎前突の原因は遺伝的要因や顎の成長不良などです。
上顎前突は見た目に影響を与えるだけでなく、噛み合わせの不調や発音障害、歯磨きのしづらさから口腔内の清掃が不十分になりやすいという問題があります。
子どもの場合、早期に治療を行うことで、正常な噛み合わせと美しい口元を取り戻すことが可能です。

歯が閉じない(開咬)

歯が閉じない(開咬)開咬とは、上下の前歯が閉じ切らない状態を指します。食べ物を前歯で噛み切ることが難しくなり、奥歯に過度な負担がかかります。
開咬は、幼少期の指しゃぶりや舌を前に突き出す癖が原因であることが多く、これらの習癖を改善しない限り、開咬は悪化する傾向があります。
また、開咬が進行すると顎関節症のリスクが高まり、噛んでいる歯に過度な負担がかかることで、むし歯や歯周病のリスクも増加するため、早期治療を目指すことが大切です。

嚙み合わせが深い
(過蓋咬合)

嚙み合わせが深い(過蓋咬合)過蓋咬合とは、上下の前歯が深く重なり合い、下の前歯が上の前歯によって隠れてしまう状態を指します。噛み合わせが深すぎるため、前歯に過度な負担がかかり、歯の摩耗や歯茎のダメージを引き起こすことがあります。原因は、顎の過成長や歯の成長不全などです。
過蓋咬合を放置すると、顎関節症や歯の摩耗が進行し、食事や発音に支障をきたすことがあります。

すきっ歯(空隙歯列)

すきっ歯(空隙歯列)空隙歯列とは、歯と歯の間に隙間がある状態を指します。顎の骨が大きすぎる場合や、歯の本数が少ない場合、舌が大きすぎる場合に起こりやすくなります。すきっ歯の状態では、食べ物が歯の間に詰まりやすくなるため、むし歯や歯周病につながることがあります。
また、特定の音が発音しにくくなることもあるため、コミュニケーションに支障をきたさないためにも、早期の治療が必要です。

歯のでこぼこ(叢生)

歯のでこぼこ(叢生)叢生(そうせい)とは、歯が重なり合ってでこぼこになっている状態で、乱ぐい歯(らんぐいば)とも呼ばれます。この状態は、審美的な問題だけでなく、重なり合った部分が虫歯や歯周病のリスクを高め、口臭が発生しやすいこともあります。
主な原因は、歯の大きさに対して顎の発達が不十分で、歯が正しく並ぶためのスペースが不足していることにあります。
成長期前のお子様であれば、歯列弓を広げることでスペースを確保し、歯並びを改善することが可能です。しかし、大人で強い叢生がある場合は、抜歯によってスペースを確保する必要が生じることもあります。

噛み合わせが悪い
(交叉咬合)

噛み合わせが悪い(交叉咬合)交叉咬合とは、上下の歯が左右でずれてしまい、正常に噛み合わない状態を指します。噛み合わせが不安定であり、顎関節に過度な負担がかかります。原因は、歯の生える方向や位置のずれ、頬杖などの習癖などです。交叉咬合を放置すると、顎関節症や顔貌の非対称性が進行し、食事がしにくくなるなどの問題が生じます。